久しぶりの更新、というのも今年は”すももハウスに”にとっては散々な年になりました。失敗を記録し来年のための参考にします。

春には花は多く開花も順調でしたが、8月1日に梅雨明けとなる長梅雨での日照不足、8月からは連日の40℃近い猛暑日、猛烈な台風の接近、そしてなんといっても新型コロナウイルス肺炎の感染拡大。スモモはコロナウイルスには関係なさそうですが、すももハウスへの影響があり課題が多くありました。

2月は暖かい日が続きスモモハウスの中は曇りの日でも気温15℃、最高気温は27℃で最低はマイナス7℃。
暖か過ぎて花芽が膨らんでしまい、カイガラムシ防除のマシン油合剤は前年12月に散布していたものの石灰硫黄合剤の散布のタイミングを逃してしまった。開花は2月28日で3月22日に満開。
  
名古屋のメスレーは3月11日に開花、3月20に満開と連年並みでした。ここまでは順調。
   
3月下旬から新型コロナウイルスの感染拡大が問題となり不要不急の外出自粛など要請されてきました。
すももハウスは長野県にあり2地域居住のため当然県境を跨いでの移動になります。
水の管理や摘果などの作業も必要となるため、週1回の移動を隔週にして回数を減らしたり、食料などは全て持参して県境を越えてからは買い物や、お隣さんとの交流も控えざるを得ませんでした。
(マスク不足で手作り品を洗濯して使う)
それでも野菜畑は順調で庭先直売も。
5月中旬にスモモ摘果。毎年リクエストの多い月光も沢山実が付き、李王もサマーエンジェルも非常に多くて摘果作業が大変でしたが大いに期待。
6月中旬 名古屋のメスレーが色づき始め下旬から収穫。
例年は6月末から7月初旬の降雨で実割れなどで1/3程度ダメにしてしまうため、今年は雨除けを設置しました。おかげでほぼ全量約2000個収穫出来、糖度も上々でした。完熟メスレーは酸味が少なくファンも多く好評。
7月初旬に紅りょうぜんの収穫
例年盛夏には45℃以上になるハウスの暑さ対策に遮光ネットを設置
残念ながら梅雨明けが8月1日となり、日照不足で糖度低下の一因となったか?
高温対策には有効で8月以降猛暑が続いたが、最高気温は45℃以下に抑えられた。
今後は梅雨明けを待って8月になってから展開したほうがよさそう。
7月下旬スモモハウスの収穫ピーク。
日照が少なくて前年より一週間ほど遅くなったが、李王、月光、サマーエンジェル、彩の姫、大石中生一斉に熟し収穫。
この日のハウスの中は38℃、それでも遮光ネットの効果か昨年より5〜10℃低く抑えられていて快適で、果実の焼けもなかった。ただ貴重な日照を遮ることになるためか果実の糖度の上がりがいまいちの印象
遠距離通勤農業のため天気によってネットの調整が出来ないのが難しい。
7月末、新型コロナウィルスはいつ迄続くのか見えないけど、今年はそれ以上に長梅雨による日照不足の影響が大きかった。畑の野菜は枯れたり、大きくならず草に埋れてほとんど収穫なくスイカも全滅。
ハウスのスモモも見栄えは良いのに糖度が上がらず、7月後半収穫の主力品種は大部分廃棄、こんなに甘くない果実は栽培を始めてから初めての経験でファンの期待を裏切った。
8月末、最晩性のケルシー、秋姫、秋さやか も糖度・果汁不足で残念な結果に。
秋姫

秋姫

春からの反省として

・カイガラムシの防除が不十分で枝枯れが多く、果実にも害が出た。

今年の冬は石灰硫黄合剤、マシン油合剤散布のタイミングを逃さない。

・摘果不足で着果が多すぎ、枝折れや樹勢低下を招いた。

・間引き選定主体で長果枝が多くなり、また施肥不足も有り新梢の発生が少なく結果枝に負担をかけた。

9月に施肥、尿素の葉面散布で新梢が出ており、カイガラムシ被害枝の更新を行う。

・レイトソルダムに良果をならせることができないため、李王および月光を芽つぎしたが、月光は成功しなかった。相性の問題か、使用した新芽の問題か不明。月光で失敗の樹には李王を再芽つぎ予定。